STEPNが話題になっているなか、このアプリを使ってGPSアートに挑戦しているランナーもたまに見かける。STEPNを使ったGPSアートを「STEPN ART」と名づけハッシュタグ化も進む。ここで自分の作品をここで紹介します。
STEPN ART とは
STEPN ARTとは、運動するほど暗号通貨が貯まる人気のランニング・ウォーキングアプリ「STEPN」を利用したGPSアートのこと。お絵かきランに使うには様々な制約があるものの、勢いのあるアプリなので、当サイトでも早速導入し幾つかのGPSアートを描いてみた。
STEPNとは
STEPNアプリ自体は、ランアプリの顔をした仮想通貨投資アプリでひろゆきがabemaTVで紹介し話題になったが、2022年春以降の仮想通貨暴落と運営側の複雑なルール変更により高い利益を出すことはとても難しくなっている。お笑い芸人TKOの一人(木本武宏さん)が仲間と合わせて億単位の損失を出し、運営のリーダーが行方不明になったことが報じられ話題となったが、実際はSTEPNではなくFX投資だったが、このアプリの名をさらに広めたニュースとなった。
Stepnのはじめ方やリスクについては下のリンク先で詳しく解説していますので、興味のある方は是非どうぞ。
小さいほど難しいGPSアート
まったく語られないが、実はGPSアートは小さいほど難しいもの。GPS地上絵師として有名な大山顕氏はネットマガジン「デイリーポータル」で次のように述べている。
GPS地上絵の設計の難しさは「小ささ」にある。いくらでも大きくて良いのであれば、どんな絵も描ける。道路の曲線を上手く使って最小限のスケールでちゃんとした絵を描けるルートを見つけるのが最大の難関なのだ。
デイリーポータル「体長3キロのおしゃれ子ヤギ “恵比寿キッド”」(大山顕)より引用
つまり、短距離だからといって簡単に設計できるわけでなく、むしろ逆である。
制約は想像の母
短いコースは長距離にない難しさがあるが、同時に創造性を生み出すバネにもなる。「制約は想像の母」という言葉があるとおり、短くリソースがないという制約が、コースデザインにひらめきを産み、今までにない発想が生まれるチャンスになる。
サステナビリティーが落ちる長距離作品
それに長距離作品にはデメリットがある。世界の有名なGPSアートは大抵100キロを超え、1日以上かかる大掛かりな作品に注目が集まりがちだが、長距離なほどサステナビリティーは低く、他のランナーがコースを再利用し楽しむことはできない。つまり、発表されたらおしまいなのだが、ランニングアートの良さの一つはコースの共有にあると僕は考えていて、テンプレート定規のように誰もが絵を描ける楽しさをメリットから消してしまうのはとても勿体無いことだ。
関心高まる短距離GPSアート
このページでは、そんな大作ではなく気軽に散歩気分でできる短距離GPSアートだけを集めました。特に最近ではSTEPNの流行をきっかけに、ゲームルール上、10分前後のコースデザインに注目が集まりつつある。ここで短距離のメリットを深掘りすると次の通りだ。
短距離のメリット
- 散歩気分で気軽にできる
- コースの形が簡素、様式的、明確
- 子供や高齢者でも参加できる可能性を持つ
- 作者以外のランナーも再利用できる
- Stepnのコースにしやすい
以上を踏まえ、短距離GPSアート、STEPN ART作品をご紹介します。
STEPN ART 作品集
今まで走った STEPN ART の GPSアート作品集を並べました。STEPNアプリには3種類の完走画像がありますが、この朝焼け背景タイプが一番見やすい。背景写真を変えたいがカスタムは全くできない。今後のアップデートに期待しよう。後で詳しく解説するが、STEPNはランの時間制限があり、長距離に向いていない。ここのように3キロ前後のランニングアートが中心にならざるを得ないところが特徴となっている。
STEPN公式や関連サイトからもこれまでいくつかGPSアート公募が行われている。僕が確認とれたのは2023年2月のバレンタインデーの季節にハート型のGPSアートを投稿しあい、優れた作品にゲーム内通貨が支給されるコンテスト。もう一つは、Zealy(Stepnの公式アチーブメントWebサービス)アカウント主催の公募で、文字、猫の絵、などのGPSアートをクエストの形で獲得ポイントを得られるというものだった。既存ランアプリと違いWeb3系アプリは流行に乗っていて活気があるのでできるだけ参加している。
顔マラソン
たった2〜4エナジーの短距離ランにだって顔マラソンは描けます。今のところ10つの顔が出来て徐々に増えてきました。完走次第公開します。アントニオ猪木とお婆さんの二つは10キロ超えてしまいましたが、10キロ以内に収めるのはとても難しいです。
人物
頭部、腕、足、と、描くものが多くてついつい長くなってしまう人物全身像もなんとか4エナジー(20分)内に納めてGPSアートにしました。距離にして3〜6キロ。
カンフー
ランナー
手
女性
動物
得意分野である動物ラン。4エナジーの超短距離で攻めました。シューズが増えるまでこの距離で我慢しなくては。
シューズ
STEPNらしくシューズをテーマに幾つか走っています。このアプリは諸事情で短距離が特徴なので、だいぶ形を省略しますが靴の形がわずかでも残っていれば満足。割り切っていきましょう。これもほぼ4エナジーで収めています。
乗り物
船
文字
通常のGPSアートなら長距離になりがちな文字型GPSアートも、Stepn Artらしく所有エナジー範囲内で収まるように短距離で仕上げたい。しかも、文字としてちゃんと読め可読性を維持したデザインにするのが理想です。
漢字
10km以内の短距離で漢字はとても難しいですが、やれるだけのことはやりました。
英語
感じと比べてアルファベットは画数が少なく簡単ですが、曲線が多いのが曲者。
数字
英語ほど曲線を強調しなくてもデジタルらしさがでるので割と簡単。
記号
ハート
初心者向けGPSアートの代表・ハート型は、STEPNでももちろんビギナー向けのStepn Art題材になります。簡単なのでだれでも挑戦できるので、初めての方におすすめ。
パーティー
クリスマスやハロウィン、誕生日ケーキなど、お祝いの日はGPSアートの出番ですね。欧米のお祝いが増えがちなので、できるだけ国内や東洋由来のお祝いものを今後は増やしたいなと。
ケーキ
ランナーの友人がいるならこのルート画像を送ればとても喜ばれるでしょう。
ハロウィン
カボチャのお化けやガイコツ、コウモリなどのコースがあります。骸骨を10キロ以内のコースにするのはとても難しく、完成した時はとても嬉しい。最近はハロウィンの季節に大きな事故のニュースが多いので、あまり走る気にはなれず在庫が溜まってる。
クリスマス
トナカイやキャンドル、靴下、教会やツリーを描くことが多い。サンタのコースもあるが、長距離なのでStepn向きではない。サンタの帽子くらいならできるけど。
日本
建造物
その他
他にも色々な題材でSTEPN Artを描きました。STEPNは共有画像の仕様上、シンプルな絵でないと映えないので、短距離ランニングアートが得意な自分にとって、とても楽しくランできた。
STEPN GPSアートの特徴
通常のGPSアートと違いSTEPNを使ったGPSアートはそのゲームルールの特質上さまざまな制約がある。一番大きいのが距離の制限だが、2〜5キロの範囲で完成しなくてはいけない。まとめると次の通りだ。
STEPN ARTの制約(3足)
- アプリ制約上、20分前後で収められる距離で描くこと
- 2時間超えは赤字になるので避ける(要検証)
- 共有画像があまり映えず、カスタム度低い
STEPN GPSアートの特徴詳細については、このページ中段の「STEPNがGPSアートに向かない理由」の章をご覧ください。
ツイッターの作品
そんな制約のなかで、なんとか作品化しているユーザーをご紹介します。ツイッターでみかけたGPSアートですが、とても参考になります。
STEPN が GPSアートに向かない理由
STEPNを使ったGPSアートは、1足・数万円の高額なシューズ代が必要な上、1足だけだと1日2キロしか走れないなどのルールがあり、10キロ以上は必ず必要なGPSアートにとって不利な点が多い。結論から先に言うと、GPSアートに向いていない。
シューズのスペック
GPSアートに向かない理由については、初期投資で初心者用であるこのスペックを前提に解説します。
- common
- Jogger
- レベル19
- 3足
GPSアートに向いていない要点をまとめると以下の通り。
向かない理由
- 1足2キロ前後の距離が定番(3足でも4キロで短すぎ)
- 長距離には数万円の投資が必要(高額)
- 共有画像がメリハリなく映えない(致命的)
- 角丸なのに透過PNGではない!(なぜ?)
- 背景画像の変更不可(朝焼け写真のみ)
- 地図の「GO」「END」マークが巨大すぎる(邪魔)
- GPSログのソートやフィルターは不可(ログはアカウント設定の奥に隠れている)
- 記録される属性:タイム、距離、ステップ数、日時、のみ(ペース、速度は不記載)
- 配速サーモグラフが不自然
- 軌跡が枠外に切られるバグ
- STEPN宣伝のQRコード強制表示
- トリミング、角度調整、いずれも不可
- アニメなし
ENDマークが邪魔である
向かない理由の⑥に挙げた通り「GO」「END」マークが巨大すぎて邪魔である。下の作例のように、顔マラソンの大事な表情を巨大なマークが覆ってしまい台無し。Stepen Artをする場合、ゴールとスタートを後頭部や首などに移す必要がある。
GPSアート用のアプリではないので仕方ないですが。
1足運用では1時間以上のランに修理費が重荷に
タイトルの通りだが、これは3足運用なら2時間でも修理費はこのほどかからなかった。調べたわけではないが、1足1時間程度のラン時間をキープしていればよさそうだ。
- 10分ラン:2エナジー消費 = 耐久性5%減少
- 3時間ラン:36エナジー消費 = 耐久性90%減少(実際は-30エナジー、75%減少:75÷5×1.8=27GST相当だった)
- 5%修理費:1.8GST
- 何時間走ってもエナジーはマイナス値にはならない(0が最小値)。なので修理費のような借金なし。
2時間以上走り修理代27GST(時価1000円)損失!
修理費目安表
この「お婆さんの顔」作品に挑んだ時はSTEPNシューズ運用は1足のみ。この表を見るとわかるように、1足の最大ラン時間10分を超えると利益が減り、30分以上で赤字になる。GPSアートのランナーはシューズに適切な時間を走ることが重要だ。
シューズ1足運用時の修理代と利益
ラン時間 | エナジー | 耐久性 | 報酬 | 修理代 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
5分 | -1 | -2.5% | 2.5 | 0.9 | 1.6 |
10分 | -2 | -5% | 5 | 1.8 | 3.2 |
20分 | -4 | -10% | 5 | 3.6 | 1.4 |
25分 | -5 | -12.5% | 5 | 4.5 | 0.5 |
30分 | -6 | -15% | 5 | 5.4 | -0.4 |
1時間 | -12 | -30% | 5 | 10.8 | -5.8 |
3時間 | -36 | -90% | 5 | 32.4 | -27.4 |
こうしてみると、シューズ1足に10分のラン(太字)が一番コスパが良い。つまり、当然だがセオリー通りの時間を走るべき。
シューズ3足運用の場合、1時間を超えるランでも赤字になることはなかった。ので、上記のコスパもんだいを考える必要はなさそうだ。
1時間以内なら修理代5%で済む?
実際に、1時間未満(10キロ以下程度)のGPSアートでは、上記のような修理代はかからず、エナジー:-2/修理5%で、10分同等のメンテナンスで済んでいる。
ランできる時間を伸ばす方法
ランできる時間、つまりエナジーを増やす方法は次の二つしかなく、レベルを上げても変わらない。
- シューズの数を増やす
- レア度を上げる
シューズ数を増やす
シューズの数とエナジー、ラン時間はこの表の通り。シューズ15足でやっと1時間走れる。一番安いシューズでも3万円するので合計45万円の投資。これはハードルが高い。
靴の数 | エナジー | 時間 |
---|---|---|
1足 | 2 | 10分 |
3足 | 4 | 20分 |
9足 | 9 | 45分 |
15足 | 12 | 60分 |
30足 | 20 | 100分 |
レア度を上げる
Uncommonシューズ以上のレアもの購入には数万円の投資が必要になる。これもハードルが高いし、購入したとて、それほど時間は伸びない。
レア度 | エナジーボーナス | 加算時間 |
---|---|---|
Uncommon | +1 | +5分 |
Rare | +2 | +10分 |
Epic | +3 | +15分 |
Legendary | +4 | +20分 |
投資額の割に、運動時間はそれほど伸びずレアシューズはコスパが悪い(GPSアートにとって)。
結論:GPSアートに向いていない
以上のように、とても気楽にできる趣味ではないことがわかる。
それでもGPSアートに使う場合
「高額なシューズを買ってしまった」「すでに投資としてはじめてしまった」という引き返しできないところまで来てしまった方向けに、最も効率的にGPSアートとしてSTEPNを継続す方法を考えました。
- 5キロ以内のGPSアートを選ぶ(それ以上だと修理費増に)
- 長距離には使わない(とにかくシューズ修理費)
- 時々投稿する程度のネタとして(変化球な話題として)
結局このツイートが一番理想的という結論に
STEPNの始め方
STEPNの詳細については、昇進者向けの詳細ページがあります。興味がある方は下記リンクを是非ご覧ください。
短距離GPSアートリンク集
短距離でのGPSアートについては、文字や動物、STEPNを使ってコースをたくさん走っています。テーマ別にいくつかまとめていますので是非ご覧ください。