GPSアートで女性を描くということ

GPSアートで女性を描くということ

GPSアート、ランニングアートをしていて、一番難しいと感じる題材は「人体」であり、その要因は「曲線」だ。その代表的なモチーフ、それは「女性」である。世の中のほとんどの道は格子状の直線で出来ている特質上、GPSアートのランナーたちはこのモチーフをできる限り避けたいのが本音だろう。

女性モチーフ挑戦の流れ

初めは、全く曲線らしくなく、というか曲線など全く意識せずに当初は女性を描いていました。どのように変化していったのか、時系列で並べました。

まつ毛

女性であることを表現するために、ふっくらしたシルエットや、まつ毛を使っていた時代の作品。ふっくらしたつもりが太ってしまっている。

ランニングアート
「朝ラン女子」を描いたが、当初は曲線を描く意識はなかった。
聖火ランナーのGPSアート
「立川聖火ランナー」だが、これも女性らしさを出すのに後ろ髪と胸の膨らみぐらいしかない。

ガタガタ道を避ける

この頃からガタガタしたコースを選ばず出来る限り曲線ルートを選んで描画するように心がけた作品。このころ一筆書きや曲線美の可能性を感じ、目覚め始める。

女性宇宙飛行士
初めて女性らしさに目覚めた「女性宇宙飛行士」。女性らしい道を選んでその輪郭を優先し全てを描いた初めての作品。「この方法」を今後使おうと悟る。全体的に見て曲線しかなく、ガタガタがほぼなくなった。但し、その副作用もあり課題が多い。
女性の横顔のstrava art
人体でなく表情で女性らしさを出そうとした作例
女性の横顔のStrava art
Stravaで書き出した女性の横顔。Strava artはGPSノイズが低減され手ブレ防止が効いたような曲線的な軌跡になって、より女性らしさを強調してくれる仕上がりに。

一筆書き

曲線と一筆書き両方を兼ね備えたコース。ゼムピンにできそうな仕上がりで商品化したいほど綺麗に決まった。こんなルートを増やしたい。

ファイティングポーズのStrava art
ファイティングポーズのStrava art

くびれ

曲線美に自信がついた作品。これは既に設計していた「旗を持った女性」の習作だったので、この曲線で十分に美術として通じると確信でき、のちの作品に繋がった。

「女性のお尻」GPSアート
「女性のお尻」の習作。これがGPSアートでの女性らしいフォルム実験の完成形となった。格子状の地理でも僅かなご当地道路で曲線は描ける自信につながる。

女性らしい顔

女性の横顔のStrava art
女性らしいふっくらした顔
蓮舫のStrava art
中性的で男性的な顔

点繋ぎのないヌード

ほとんどクロッキーやデッサンを描く感覚で設計。なので速度感や大胆さ、精密と省略のバランス、主体と余白、全体としての構図もバッチリ決まった超満足作。クサリ走法十字走法、などの奥義も総動員。曲線作品や多角形GPSアートでありがちな点繋ぎゼロ。フォロワー数がほとんどないThredsでも300を超すいいねがついた。

Strava art "Woman with the flag"
旗を持つ女性のStrava art

曲線は小さく見えがち

曲線コースの悩みだが、規模が小さく見えてしまうという錯覚が起こる。この現象は、作品が短距離に見えてしまい、長距離大好きの欧米からはスルーされる予感大。盛大にガタガタした超巨大作品だけが好まれる傾向が長い間続いており、でも、ブレずにこの良さを貫き、楽しんだ方が得である。

初めての全身像

これも、お尻と同じ頃に既に設計し終わっていたコースで1年以上も発表待ちであったもの。ちょうど女性テーマの公募があったので、そのタイミングでランニングして公開。あまり男性の願望目線のエロチックな女体にならないよう、女性目線の女性らしさを意識。阿佐ヶ谷駅周辺特有の曲線的な地理のポテンシャルを存分に活かした

ダンスする女性のStrava art
ダンスする女性のStrava art

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毎年「ピンクリボン」をはじめ女性をテーマにしたGPSアートコンテストに参加し、ほぼ毎年優勝しています。

この記事を書いた人

mojigumi

「もじぐみ」の代表、コウです。
専門は企画・出版・編集・印刷、Webデザインと管理。最近はブログ、動画、3DCG、AR、LINEスタンプ等のコンテンツ配信にも力をいれ、自分自身もランニングアートでコンテンツ化に努めています。