悦跑圈やKeepなど、中国には西側のアプリにはないような独創的で高機能なアプリが多い。そんな中国アプリを探しているうちに、またとてつもないアプリを見つけてしまった。そしかもそのカテゴリが自分のテリトリである「ランニングアート」なのである。しかもコースを売買できるという、世界の先の先を行ってて知るほど驚きの連続。そのまとめです。
現在このアプリを使用中で、このページのテキストも書きかけです。アプリ使用時間を増やしながら詳細わかり次第どんどん更新していきます。
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何ができるアプリなのか
このアプリがユニークなのは、ランニングログだけをシェア、閲覧することに特化していること。つまりランニングアートの披露にぴったりな作りになっている。欧米のアプリで言うとカナダの「RunGo」に近いが、「创意跑步」との違いは、音声付きナビ機能がない点だろう。その他、2020年のアップデートでグループチャット機能も備わり、中国のランニングアーチスト同士が盛んにオタク的コミュニケーションしている。
创意跑步で出来ること一覧
出来ること | 内容 | 補足 |
---|---|---|
ランを記録 | 距離、ペース、タイム、高度など | ここまでは通常のランアプリ的 |
ランニングコース公開 | 題名とサムネイルで公開され、軌跡アニメも | 通常ランアプリならタイムなどで競うが、このアプリはコースの形が主体。他人が自分のコースを閲覧すると3豆報酬を得られる |
コースの設計 | 世界中にコースデザインでき保存 | 公開には100豆必要 |
人気コースのランキング | コースの多さ、ランされた数、設計した数、豆数などでランキングされている | コース量だけでなく様々な尺度でランキングしている点がユニーク |
報酬 | 豆という単位でポイントが集まる | 前は元(現金)に換金できた?が、現在のバージョンでは不可か?換金はWeChatにチャージ |
投げ銭 | 気に入ったコースやコース作者がいたら、豆10個の投げ銭ができる | 人気コースはどんどん豆が増える |
グループチャット | 地域別の部屋が作られていたり、常連ランナー同士で会話している | 画像貼り付けできるので、お互いコースを自慢試合って盛り上がる |
创意跑步app流のランニングアートの走り方
创意跑步appには公式マニュアルがあり、走り方や会員特典の説明が詳細に記されている。その抄訳を下に載せました。まとめながら全体を通してわかることは、ポイント制を利用した成果報酬型ピジネスの生態系がしっかり出来上がっているというすごい点。これならランニングアートという地味なジャンルでもどんどんコースが増えてモチベが上がっていくわけだ。
ギャラリーに公開中のコースを走る方法
画面下メインメニューの「ギャラリー(画廊)」に入ると、1万コースにも及ぶ公開中のルートが表示される。これらのコースをランニングできるのだが、ほとんどが中国なので、日本国内では閲覧することしかできない。
1)场地跑画(広場)
- 图库(ギャラリー)に入る。
- 轨迹图(コース)を選択。
- コースの詳細を入力。
- 「查看轨迹(コースを表示)」を選択(または轨迹图(コース)選択)。
- マップに入ると、サイトの実行画面が表示されます。マップはユーザーの現在の場所を示し、マップの方向とサイズを調整して、サイトの実行画像が適切なサイトに配置されるようにします。[轨迹图(コース)の生成]ボタンをクリックすると、地図に表示されます赤い軌道を生成する
- ユーザーがトラック上の任意のポイントに移動したら、「开始跑步(ラン開始)」選択。
- 地図上で軌道に沿って走ると、フィールドの完全なランニング図面を描くことができます(ランニング中に明らかな座標オフセットが表示されます。心配しないでください。ランニング後に自動的に修正されます)。
- コース一時停止には、「下拉暂停」をプルダウン。再開は「继续」を選択。
- コース完成したら、「下拉暂停」をプルダウンし「完成」を選んで終了、コースをアップロードします。
2)路跑画(道路)
- 图库(ギャラリー)に入る。
- 轨迹图(コース)を選択。
- コースの詳細を入力。
- 「查看轨迹(コースを表示)」を選択(または轨迹图(コース)選択)。
- マップに入ると、コースを表示できます。ユーザーがコース線上の任意の場所にいるときに、「开始跑步(ラン開始)」選択。
- マップ上のコースに沿ってランすると、図が完成する。
- 他の操作については、「场地跑画」(広場ラン)参照。
この公式ガイドと実機での画面が合ってない。きっと公式ガイドが古いままアップデートされていない様子。ここは様子をみて、翻訳をアップデートしますので、しばらくこのまま掲載します。
アプリのギャラリーにはコース点数は膨大だが、一つ一つの作品の完成度が乏しい印象を受ける。名作・大作を量産しているのは一部の四天王みたいなこの界の有名人数人だが、その名作のなかでも実走しているのは半分程度(の印象)。多くのコース作者は案だけ公開し、他のランナーが利用したことで報酬を待っているパターンが多そうで、名作・大作発表よりも点数に傾きがちになる要因になっている様子だ。これらを眺めた課題としては、報酬や点数にしずらい「芸術点」という新しい軸の必要性だろう。それに気付いているからか、ランキングとは別に「芸術性」というカテゴリを設け、アプリ管理人が主観的に仕分けTOPに表示している。それもユニーク。
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他人のコースを見る方法(要3豆)
通常のランニングアプリなら他人のコースを閲覧するのは何の難しさもないのだが、创意跑步appでは他人のコース閲覧には3豆が必要で、自分に豆がなければ閲覧できないという独創的なルールを敷いている。
それでも、初めは他人のコースの詳細を見たいし参考にしたいはず。そういう時のために購入せずに豆をゲットする方法がある。
コースを見たり見られると3豆の入出があるのは、自分のコースに対してもあてはまる。なので、ユニークなコースを走ったらすぐ公開して、たくさんの人に見られると自然に豆が溜まっていくので、どんどん走ろう。(またはコースを作ろう)
豆を手に入れる方法(広告閲覧で10豆)
豆がなくなった時に他人のルートを閲覧しようとすると、VIP会員になることを促すメッセージ画面が現れる。その下側に表示される「非会員看視…跑豆」という「ドル袋」マーク下のボタンを押すと広告動画が流れるので、それを見終わると10豆。およそ3コースの閲覧が可能となるワケだ。わざわざ広告を見に行かなくてはいけない点が不便だが、この方法でなんとか無料で使うことができる。
その際、広告動画を閲覧したページの、コースの作者にも10豆が贈与される。なので、豆不足な初心者や非VIP会員は豆を得るために、仲の良いランナーや、優秀なコースを選んで広告を見ようとする。つまり、人気者がより豆を得られる。
どんな時に豆の報酬を得られ、または損するのか
豆の報酬を受けるケース
- 自分のコースを他人に見られた(3豆)
- 自分のコースを他人が走った(?豆)多分多い
- 広告を見た(10豆)
- 他人のコース一覧で広告を見た(10豆 + 相手にも10豆)
豆を減額されるケース
- 新しいコースを登録した(-100豆)
- 他人のコースを閲覧した(-3豆)
- 他人のコースを利用した(-?豆)
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VIP会員説明
以下の特典やルールや色別会員や招待報酬について、2020年のアップデートで大幅に変更されているようだ。今でも頻繁にアップデートされており、確定したら改めて更新します。
会員制については使っていてもわからない点が多い。公式説明の翻訳を要約したものを下に記したが、こんなに細かなルールを意識していなくても十分このアプリは楽しめる。実際に豆と言われているポイント制は広告動画を見れば十分得られるので会員にならなくても。
VIP会員特典
- 180日間連続ログインすると、その年に支払われた年会費返金。
- 全コースと順位記録の無制限表示。
- コース実行して豆数を増やします。
- 実行中の豆は、プラットフォームで直接換金できます。
- 3コースの無料カスタマイズ。
- テキスト広告をブロック。
- 登録が成功で、最大500個の豆ゲット。
- 3Dプリントメダルを50%割引で購入できます。
- イベント登録料の割引。
- 現金特典を獲得するために登録招待コードを共有します。
- (注:10,000豆=50元の価値)*変動あり(1元=15円程*2020年8月現在)
カラー限定VIP会員特典
色分けダイヤの会員訳は2020年中盤から見られなくなったようで、今後はVIP(会員)か、そうでないかのシンプル会員路線に変更された様子。ここでは参考に色分け会員制の説明を残しておきます。
红钻VIP (赤ダイヤ)
- 50元割引の招待コード。
- ラン1 kmあたり5豆入手。
- オリジナルコース作者は、他のランナーが使用で、1キロあたり5豆取得。
- 登録成功で100豆。
蓝钻VIP(青ダイヤ)
- 70元割引の招待コード。
- ラン1 kmあたり8豆入手。
- オリジナルコース作者は、他のランナーが使用で、1キロあたり8豆取得。
- 登録成功で300豆。
黄钻VIP(黄ダイヤ)
- 100元割引の招待コード。
- ラン1 kmあたり10豆入手。
- オリジナルコース作者は、他のランナーが使用で、1キロあたり10豆取得。
- 登録成功で500豆。
招待報酬ツリー参考図
公式ヘルプに載っていた招待報酬チャート図がこちら。1代あたり64元の報酬があり、招待者が孫やひ孫を作るほど親が儲かるが、代が多くなる程招待報酬は減り、7代で1元にまで減っているので、大親だけが儲けすぎないような仕組みにはなっている。2021年現在、招待報酬は廃止されたのか現在はヘルプから削除されたようだが、参考に残しておく。
2020年初期のバージョンには掲載していたが現在はこの図はみられない。2020年だけでもアップデートが盛んで、仕様変更や改善が多くあった。
中国で人気のランニング地区
- 北京市科技園区=北京の南西(@老曜渇酒)
- 北京市六里CI=北京の南西(〃)
- 北京市郭公庄駅=北京の南西(@珈琲)
- 森林公園南門=北京の北側(@ID22179)
- 大富庄村=北京の西側(@雪松)
- 上海静安区=上海駅周辺(@愛行走的小俣)
- 上海人民広場=上海駅南側(@Dyson)
- 北京駅南側(@得意创跑)
- 沉阳(瀋陽)=沉阳市政府、沉阳创新天地周辺(@)
中国のランニングアート審査基準
ここで参考として中国ランニングアプリ「咕咚」が2021年末に主催していたコンテストの関係者資料を紹介。評価基準は距離、ペース、芸術度、テーマ性など多くの基準に照らされて点数がつけられ、最後に級が分類される。とても細かく採点されていることがわかる。
本採点基準はWeChatの中国人ランナーコミュニティーから拝借。「中華軌跡運動研究会編纂[軌跡運動評価標準軌跡画種別]2021-LP-06版」を参考にした。「咕咚」所有。
審査基準の中日対訳
はじめに、下記の基準をもとに点数をあつめる。
轨迹画类型评分标准
- 原则评价
- 真实性鉴别
- 活动主题
- 场地系数
- 类型系数
- 规模系数
- 技术评价
- 题材契合度
- 图文美观度
- 记录线条颜色
- 数值设计
- 控线质量
- 配速
- 附加项
軌跡画タイプ採点基準
- 原則評価
- 真正性の確認
- イベントのテーマ
- フィールド係数
- タイプ係数
- 規模係数
- 技術評価
- 題材適合度
- 図の美観
- ラインカラーの記録
- 数値設計
- ライン品質の制御
- 配速
- 追加項目
基準点から級を分類
上の点数を下記の表にあてはめ、級を分類し評価する。
こうしてみると、とても細かく採点基準が設けられていることがわかる。